内閣官房参与の「虫干し」?

新聞の「首相動静」に毎日目を通すように心掛けている。

首相の個性というか、趣味嗜好というか、関心事項というか、洞察力を膨らませれば政権が直面している課題も見えてくる。

「首相動静」から読み取れる安倍首相の最大の特徴は、「谷内正太郎一行」との打ち合わせである。頻繁なのだ。ほぼ毎日といっていい。

谷内正太郎とは、国家安全保障局長。「一行」として加わるのは、外務、防衛両省幹部。昨日12月6日は、外務省は総合外交政策局長、防衛省は防衛政策局長と統合幕僚長、それに内閣情報官。メンバーには事務次官や審議官が加わる場合もあるが、昨日のメンバーが基本形か。この中でも注目は制服組トップの統合幕僚長。ほぼ毎回登板という感じだ。首相は自衛隊最高指揮官なのだから、シビリアンコントロールの観点から、しっかり制服組をコントロールしているということで安心していいのかもしれないが、歴代首相と比較して抜群に多いのでは。軍事がテーマになっているということか。

「谷内一行」があまりに頻繁に官邸に出入りするからか、他省庁の幹部の影は誠に薄く見える。そういえば経済界の人間も少ないように思う。

 

ところで、12月6日の官邸には普段とは異なる人物が次々と出入りしている。

内閣官房参与」である。時間を追ってみる。終時間は次の面会者の始時間にしてある。

10:26~10:42(16分間)吉村泰典

10:42~10:49(7分間)木山繁

10:49~11:02(13分間)荒井広幸

13:13~13:20(7分間)岡本全勝

13:20~13:36(16分間)菅原郁郎

18:36~18:40(4分間)加藤康子

18:40~18:49(9分間)宗像紀夫

計7名、通算時間は72分間、一人平均10分間。

何ですかこれは? たまには話を聞いてやらにゃと考えたんですかねえ。10分ばかりじゃ仕様がないでしょうに。俗にいうところの「虫干し」?

ところで内閣官房参与って何人いるの? 答えは15名。史上タイの数の多さ。中に先月任命された人物が2名。西川公也荒井広幸の両氏。農政通と評される西川氏は先の総選挙で落選。荒井氏は昨年の参院選新党改革代表として比例区に出馬して落選。荒井氏は安倍首相とは自民党初当選同期だが、郵政民営化に反対して離党、今年9月末に自民党に復党していた。落選者の救済? 安倍首相って優しいんですね。

官邸肥大化の象徴であり、引き続きチェックしていきたい。